音楽室

ここは、僕の音楽趣味に関する部屋です。基本的に、日本のいわゆる”フォークソング”を扱ってます。いまやほとんど死語となっているフォークですが、中でも６０年代半ばから、７０年代初頭にかけて、政治の季節とリンクした、メッセージソングといわれるものを主体としています。
アメリカのプロテストソングに範を得たその音楽は、決して今のようなマスメディアで大々的に宣伝されることはありませんでしたが、深夜放送や口コミ、各地で開かれた集会の場で若者達に浸透していったのです。
そして、必ずしも唄い手の意図とは合致してたわけではありませんでしたが、ベトナム反戦や安保闘争の団結のための音楽として愛唱されたのです。
しかしながら、このように世相とリンクした唄は、その世相の変化とともに変質を余儀なくされます。７１年を境に、「私達」から「ぼく」へ、これは岡林信康からよしだたくろうに象徴される、実に明瞭なかたちで（年齢的な開きはあまり無いが）世代交代が行われたのです。
僕自身は、世代的にはよしだたくろうや井上陽水やかぐや姫などの体験世代であり、もちろんそちらも愛唱歌ですし、ここでも取りあげつつもりでいますが、リアルタイムに経験していないからこそ、熱中した、メッセージフォークに、よりスポットをあてたいと思ってます。
彼らの音楽は、こと音楽的に見た場合、非常に稚拙で、論評に値するような作家はほんのわずかであったと言ってもいいでしょう。とかく、その過激な歌詞により人気を得てたと考えるのが妥当だと思います。そういう点では、音楽として考えるより、一つの風俗として扱われるのかもしれません。

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更新日 99/08/25